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「三方よし」のケアマネジメントの 実現に向けた調査研究―報告書
報 告 書 要 旨
本研究では、ケアマネジメント(あるいはそれを含む地域包括ケア全般)に関するアウトカム指標として、①利用者のQOL(Quality of Life)の向上、②従事者のQWL(Quality of Work Life)の向上、③コスト(社会保障費)の上昇を最小限に抑えること、という3点を同時に実現することが重要であるという観点(図1)に立ち、都内の居宅介護支援事業所に勤務する介護支援専門員ならびにその担当利用者を対象として無記名のアンケート調査を実施した。
利用者569(回収率38.1%)、介護支援専門員577(回収率38.7%)の回答を得た。主な結果として、①利用者のQOL関連項目と介護支援専門員のQWL関連項目は有意な正の相関関係を示し、「よりやりがいや満足感をもって働いている介護支援専門員の担当利用者のQOLは高い」ことが示唆された。②介護給付費総額と利用者のQOL関連項目との間には有意な関連がみられず、「介護給付を多く投じれば利用者のQOLを向上させることができるわけではない」ことが示唆された。また、③介護給付費総額と介護支援専門員のQWL関連項目との間にはほぼ有意な関連がみられず(1項目のみ負の関連を示した)、「多くの介護給付対象サービスを導入するケアプランを立案することは、必ずしも介護支援専門員のQWLとは関連しない」ことが示唆された。
今後、これらの知見をもとに、利用者のQOL向上に最大限資するケアマネジメントや介護支援専門員の働き方(Work Life)のありようについて検討を深めていく必要がある。
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「三方よし」のケアマネジメントの 実現に向けた調査研究―報告書 (7.22 MB)