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指導検査に関する調査報告書

報 告 書 要 旨

 都内の居宅介護支援事業所における指導検査の実態を把握するべく、東京都介護支援専門員研究協議会会員対象にアンケート調査を実施しました。

 これまでに指導を受けたことのある方は全体の4割で、そのうち6割が「指導を受けてよかった」と答え、その理由として「自分の作成しているプランをじっくり見直したり、考える機会となった」、「書類の見直しができた」、「書式など今まで手をつけていなかったことをきちんと整理しなおすことができた」という、見直しの良い機会になったという意見と、「疑問点を聞くことができた」、「自分で気がついていなかったことや疑問に思っていたことが理解できた」など、指導検査員と直接話す事で、疑問点を解決する事ができたという意見が寄せられました。

 一方で、「指導を受けてよくなかった」と答えた方は、「あらさがしをされた」、「『減算をどれだけしてやろうか』という態度にしかみえなかった」、「ただ単に書類の隅をつついているような感じをうけた」、「指導するのではなく命令的に言われどのように改善したらよいかを教えない書類上の指導だった」など、指導検査員の態度や書面上のみの指導への批判的な意見が多く寄せられました。

 介護支援専門員として必要だと判断して実施した支援が指導を受け、結果的に利用者に不利益を生じた事例も挙げられました。利用者の身近にいて、事情を把握している介護支援専門員が、介護保険の給付が必要であると判断し支援しても、「単に家族がいるという事で生活援助ができない」、「ケアプランに位置づけられる前に緊急なサービス導入が必要なケースも認められない」といった現状も浮かび上がってきました。

 本調査から、現場では、書面のみで画一的な、介護支援専門員の職業意識を低下させるような指導検査ではなく、検査員が制度解釈等の法的な根拠を教育的に指導し、介護支援専門員に見直しや日頃の疑問解決の機会を与えることで、介護支援専門員や介護保険制度を更に発展させていくことのできる指導検査が求められていることが示唆されました。今後、介護支援専門員と指導検査担当者の対話を深めていくことが必要だと考えられます。

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