「平成30年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等に関する意見募集」への意見提出について
- 当会は、平成30年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等に関する意見募集に対し以下の通り意見を提出致しました。
平成30年度介護報酬改定に伴う関係告示の一部改正等に関して
主任介護支援専門員を居宅介護支援事業所の管理者要件 とすることへの意見
東京都介護支援専門員研究協議会
理事長 小島操
居宅介護支援事業所における人材育成の取組を促進するため、主任介護支援専門員であることを管理者の要件とし、3年間の経過措置期間が設けられた。現状を把握する限り、東京都内の居宅介護支援事業所で管理者が主任介護支援専門員である割合は低く、3年間の経過措置期間では、有資格者確保にかかる混乱が予想される。東京を始めとする都市部においては、量的な問題だけでも経過措置期間の延長が必要となる。また質の高いケアマネジメント推進のためには、管理者が主任介護支援専門員であることに留まらず下記の課題への対応を併せて図られたい。
①利用者の権利と利益を守ること
今回の改正により、経過措置期間において主任介護支援専門員(以下主任と記す)の取得ができない場合、あるいはその後も居宅介護支援事業所(以下事業所と記す)に主任が不在となった場合に、事業所は閉鎖せざるを得ない状況となる。この状況は予測なく起きることも想定されるが、どのような場合にも利用者の生活に支障をきたすことがあってはならない。利用者の立場に立って、切れ目ないケアプランの継続のための対応と検討が地域ごとに準備される必要がある。
②主任介護支援専門員の質の維持に関すること
3年間の経過措置では全事業所の管理者を主任とするための受講機会の確保だけでも混乱が予想される。3年後からは管理者である主任が病気や事故等で退職した場合でも事業所が閉鎖となるため、安定的な事業所経営のためには主任を複数必要とする。その意味でも受講者が増えることが予想される。
3年の期限では、研修日程の配慮や受講要件の緩和等も検討が必要となるが、要件の緩和は質的な低下を招くことになりかねず行われるべきではない。質的な担保があってこそ事業所での人材育成に尽力でき、地域での活動にも貢献することができるのである。期限内に主任の定員を増やすことを主眼とした研修は大規模化が予想され、研修カリキュラム中の演習の質的な低下にもつながりかねない。期間延長の必要がある。
③管理者研修が不十分であること
現在の主任介護支援専門員研修のカリキュラムには、主任介護支援専門員が管理者となるために必要な内容が十分にあるとは言い難い。研修内容の見直しが必要である。主任を管理者とするならば現在そのカリキュラム内容に含まれている、人事管理、経営管理、人材育成、業務管理の内容を拡充すること、労務管理についてもカリキュラムに取り入れる等の必要がある。
以上